私は、
弟がデーモン小暮似なのに、
自分はどこかしら倉石功 のテイストが入っているようで、
同じ兄弟なのにどうしてこんなに違うんだろうと思っている小市民である。
私はイメージどうり、
楽器リペアマンにつき働いている。
本屋でいつもの電車に乗る前に時間をつぶしていると、
前とは雰囲気の違った幸恵と再会した。
幸恵は看護師だそうだ。
そしてわたしたちは、
卒業間近のサイン帖の話などからどんどん過去へ話題を移していった。
幸恵はよく塾に通っていたが一番好きだったのは微分積分だったようだ。
私は嫌いな科目の方が多い学校生活だったが、
古文だけは特別だった。
幸恵の最近のお気に入りはお菓子作りのようで、
週末はそれにかかりっきりらしい。
私がデイトレードを始めてから随分経つが、
相変わらずデイトレードに対する興味はつきないものがある。
私のことをイライラさせるのは高校受験勉強法であり、
長年これには参らされている。
来シーズンの洋服を買うという名目で幸恵と僕は渋谷を徘徊し、
知らないうちに急接近していた。
二人ともそろそろ時間が来たことにわかっていながらも、
なかなか別れの雰囲気にならなかったが、
だんだん空が暗くなってきたので別れようということになった。